列車内喫煙室の実態調査―同行記録

Blog カナリヤの声

健康増進法により受動喫煙防止対策のための調査研究において専門家で産業医科大学教授(医学博士)の大和浩 先生に同行させて頂きました。 私鉄電車内の喫煙状況を測定する今回の大和先生の2日間の調査日程に、当会より代表で1名が実習として参加しました。
s-近鉄.jpg
実習の目標受動喫煙防止対策の事業を進めるに当たり、測定機PM2.5の実物を確認し、操作要領と現場での測定方法について、予てより念願のこの測定機を購入可能の見込みで、大和先生の調査研究への実習を申し入れ実現しました。
大和先生は、喫煙場所とその周辺の空気汚染の実態を微粒子測定機PM2.5で測定する調査を基に、人への健康影響との因果関係を提示し改善を示唆する進め方で、国や自治体の受動喫煙防止対策と条例策定への提言をされています。また、見えない受動喫煙の実態を捉えた調査研究の報告はテレビでも報道され、受動喫煙の健康影響を広く知らせる予防啓発に大きな力を注いで下さっています。
(参考:わが国の今後の喫煙対策と受動喫煙対策の方向性とその推進に関する研究)
* たばこの煙が漂う飲食店や遊技場の3分の1以上で、健康被害を引き起こすとされる微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が、世界保健機関(WHO)の環境基準を超える危険性のあることが、厚生労働省研究班の調べで分かった。1時間で基準の2倍以上吸い込みかねない店もあった。班長の大和浩・産業医科大教授は「建物内の受動喫煙対策が必要」としている。(09/06/07)
PM2.5調査.jpg
*PM2.5 測定機
PM2.5とは、吸い込むとぜんそくや気管支炎を引き起こし肺がんや呼吸器、循環器疾患の原因にもなる超微小粒子状物質のこと。身近に浮遊しているタバコの煙、ディーゼル車の排気ガス、焼却炉・工場の煤煙など。
実習記録メモ
7月22日(金)17時30分 大阪ー駅-改札前付近ではタバコ臭を感知せず。17時45分 出発ホームに向かうと煙草臭を微かに感知した。
ホーム中程にガラス張りの喫煙室があり、その数メートル程先の椅子に掛けて待つ間に、眼の痛み、鼻、のど、肺が焼けつく痛み、暫くして鼻と気道を激しく刺激する気流(タバコの煙)を吸い込んで、気道閉塞で息ができない程の咳に襲われた。鼻、のど、気道の粘膜損傷は鼻汁と涙の後、治まった。
18時少し前に、大和先生と同行の研修医の先生が到着、すぐにキャリーバッグから測定機5台を取り出して、操作方法の説明をして下さっている時に、また、激しい咳の発作が始まった。活性炭マスクでは治まらず。
両先生は、測定機を身につけて喫煙室に入られた。この間10分程、荷物番をして待機中、咳は止まった。喫煙室の開閉時にタバコの煙がホームに放散されると、このように呼吸器に大きく影響する症状を両先生が確認されたかどうか。
18時10分 特急列車に乗車、喫煙室に繋がる号車の1番席に測定機2台をテーブルに置いて座ると車内は染みついたような煙草臭に覆われ、自宅に入って来る常習タバコ燻しと同じ痛みを感知した。すぐ後ろの喫煙室へのドアが開く度に、眼、鼻、のど、肺が刺されるように痛く、咽頭痛、頭痛も続く。
18時50分 下車して、ホームで同行取材の朝日新聞社の方と4人で挨拶交換中、受動喫煙の被害の実態を話す。ホームで対話中の10分間も、どこからかタバコ臭を感知したが、大和先生の方が早く指摘された。大和先生はタバコの煙臭に対する感度がかなり高いことを知る。 
19:17 発の特急は2両編成で後方の喫煙室から離れた前の車両の1番の席に測定機を置いて着席すると、これが禁煙車とは、煙草臭が染みついている。眼、鼻、のど、肺が痛く頭痛、暫くすると眼と肺が痛烈に焼けただれるように痛む。これはタバコの煙が近い、と感知していると、車内アナウンスで「この車両は禁煙車です。車内での喫煙はご遠慮下さい。喫煙室は○○にございます」と案内があった。
19:50 喫煙室で測定されていた両先生が下車直前に戻って来られたので「この禁煙車は煙草臭が染みついている上に、喫煙臭も感知した」と話している時、降車客がタバコ臭を伴って前を通過した。
7月23日(土)は、9時00分 大阪ー発~名古屋着までの乗車で、昨日の症状に配慮下さり、今日は喫煙室から離れた禁煙車両へ移動することを指示された。両先生は喫煙室とその周辺の測定に、実習者は測定機を座席上の棚にセットした禁煙車両のドアに近い席で2時間の車内空気を体験した。隣席の熟年男性の整髪料臭と時々出入りする人の煙草臭で、眼と肺、のどの痛みと頭痛が続いたが、昨日に比べて楽に過ごせた。
帰路は新幹線車内でデータの取り込み方法を特訓して頂いた。
実習で、タバコの煙やディーゼル車の排気ガス、焼却炉・工場の煤煙などの空気汚染で苦しんでいる人の環境測定に臨み、データを採ることができる機器を知った。空気汚染の予防啓発事業に生かしたい。
まずは機器の操作もデータの取り込みも何度も練習の上で使用可となることを理解し、得意な方の支援を会員以外の方にもお願いできればと願う。