がんと炎症・代謝研究会 学会に参加

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会報18号の特別インタビュー録でお世話になりました「からすま和田クリニック」の研究室からご案内をいただき、6月24日開催の「日本がんと炎症・代謝研究会」の第4回学術総会・講演会に参加しました。 がん学会S.jpg「日本がんと炎症・代謝研究会」は、炎症および生体の代謝について研究し、三大療法に加えて、新しい視点で診断と治療を更に進めるために2014年5月に設立。その趣旨は、「がんが住みやすい体・住みにくい体とは何か」を炎症と・代謝の面からみてがん治療を考え、腫瘍・炎症・代謝性疾患の治療法開発に向けた学術活動を推進すると掲げておられます。今学会のメインテーマは、「生存学」と「データサイエンス」でした。 昨年の和田洋巳院長へのインタビュー記事で、「がんに罹患する人としない人」「罹患しても生存する人」の存在は、何が原因かと模索する当会からの質問にも繋がる内容に聴き入りました。 医療現場からの膨大な情報と生活習慣(食品、運動等)の組み合わせによる「がん患者の長期生存は可能」であるとの仮説に基づき、臨床医学・健康科学・情報科学の合同研究が始まっている。ゲノム解析による遺伝子情報など、ビッグデータを用いた新時代の医科学が、がん治療に最適な医療を構築するための一助とする目的で進められていることが解りました。 (日本がんと炎症・代謝研究会 第4回学術総会 プログラムは下記にてhttp://www.scim.or.jp/wp/wpcontent/uploads/2017/05/2bc7ac3b63cd6b98c8201dd6552217a5.pdf免疫療法の開発と共に、実臨床ビッグデータを用いた方法で「がん患者の余命予測」も可能になるという現在、77%の確率でがん患者の余命200日を予測できると聴いて、日頃、体内に取り込む空気と飲食、これらの代謝を促す運動と環境汚染への防備がいかに重要であるかと思い知りました。 がんに負けない体を作るS.jpg 代表理事 和田洋巳先生の開会の挨拶と講演より「がんと代謝そして炎症 『がん細胞の代謝』 pHiとpHeの 視点から」「がんは代謝疾患」 「ミトコンドリアが細胞に及ぼす影響」ミトコンドリアの働きにより、エネルギー産生と同時に活性酸素の発生も起きている。がんの転移など悪性化にミトコンドリアが関与している。がんが生命をおびやかす理由は、生命を維持するシステムを破壊するためです。私たちは、日々、食べたものからエネルギーを取り出し、不要となった老廃物を排泄するということを繰り返して生きている。がんは、この流れを止めてしまう。がんは炎症によって進行する!!がんは炎症を好む。からだの中で炎症が起きた部位には好中球やリンパ球などの炎症細胞が集まり、炎症を沈静化しようと働く。一般的に体内でどの程度炎症が起きているかは、血液検査の CRP という項目で判る。
がんが進むと「好酸球が増え」「リンパ球が減少」 CRP

0.05
以下が望ましい。  血液データの目標 CRP 0.005㎎/DL 以下 白血球 5,000~6,000/μL以上 好酸球・リンパ球 比(N/L比)1.5以下 (白血球の種類 : 好中球 好酸球・リンパ球・好塩基球・単球ほか)「がん」に負けない「免疫力」を高めるために、食生活の改善が重要。がんが棲みにくい身体は、適切な食習慣・生活と、副作用の少ない治療から作ることができる。 「がんは糖分で生きている」「がんは塩分を好む」炎症を抑える食事に変えることから始める。具体的には、野菜・果物をしっかりとって、塩分、糖分、乳製品を控える。食生活では、発がんに関わる5つの重要なファクターが確認されている。ナトリウム(塩分)、ブドウ糖(必要量以上は癌細胞に流れ込み成長を促進)、乳製品に含まれるIGF-1(細胞分裂を増進)、脂肪酸合成酵素(癌は脂肪酸の9割以上を自前で合成する)、NF-kB(炎症を促進させる生理活性物質)に注意すること。果物類には炎症を抑える抗酸化物質や、脂肪酸合成酵素を抑えるトリテルペノイドが多く含まれ、ある種のハーブにはNF-kBを抑制するものが含まれている。がん治療における食事の意義体内をアルカリ性( pH7以上)に向ける食事療法が免疫力を高める。重曹、ビタミンCを摂取する療法で寛解に向かう患者がいる。尿の pH を高く保つ必要がある。身体のpHレベルは全細胞に影響を及ぼす。脳、循環器系、消化器官、呼吸器官、神経、筋肉等々は、身体が酸性に偏るとバランスを崩し、癌などを引き起こす。体内をアルカリ性(
pH7以上)に保つことで骨や筋肉を強くし、炎症や慢性の痛みを軽減する事ができ、心臓病、糖尿病、癌などの予防に繋がる。 ビッグデータとゲノム解析により拓く予防医療ALB、LDH、NLRの3つの検査値で余命が予測できる。NLR(好中球・リンパ球比)が上昇すると死亡する。36万人のビッグデータから、死亡200日前にがん患者の体内測定値が大きく変化する分岐点があることを究明しているが、その確率は77%である。(23%の人が生き延びているということでしょうか)タバコや農薬はじめ有害化学物質による健康障害は代謝機能障害と捉え、内部損傷・炎症を起こしている症状かと伝えてきた当会は、4年前に「生命活動の源となるミトコンドリアの酸化還元作用と、これを阻害する要因」をレイチエル・カーソンの「沈黙の春」ほか、生化学者ライナス・ポーリングの業績や「マクガバン報告」に学んでいます。今回の医科学研究の取り組みに期待し、私たちに必需の内容をお知らせします。 詳細は、紙面の「カナリヤの学習録」で案内しますが、既刊の会報もご覧ください。 参考:
◆血液検査指標NLR : 好中球・リンパ球比―NLRが高いー癌の増殖速く、癌免疫が低く予後不良ALB :
アルブミン-血液中に含まれているたんぱくの総称―下がると肝機能が低下LDH :
乳酸脱水素酵素―急性肝炎や肝臓がん、心筋梗塞のときに著しく増加
◆会報18号 P9~12 がん治療-最前線 「末期がん患者の長期生存例に学ぶ治療」 
会報10号 P36~37 「カナリヤの視点」ほか
会報14号P24~27「カナリヤの学習録」