化学物質過敏症についてデマ発信

Blog カナリヤの声

当会ブログを閲覧下さった方から、メールフオーム経由で「化学物質過敏症についてデマを広げるネット医師に関して」というお問い合わせをいただきました。

医療関係者に化学物質過敏症という病気への偏見が強いのは、ネット上で化学物質過敏症を否定する個人の発信が大きく影響しているので何らかの対策を立てられないものかという内容です。(詳細は末尾に記載)

当会では、タバコや農薬、塗装剤、揮発溶剤などによる健康影響は眼や呼吸器の粘膜損傷に始まる傷害と内部炎症から中枢神経系に至って障害を引き起こす実態を会員からの報告にて把握してきました。それは原因物質から離れると症状が軽減し次第に治まることから、病気ではなく化学物質による中毒の傷病と捉えています。

会員の体験では、一般の医療機関で受診してもこれを理解する医師は皆無に近く、異常視されることも事実です。そして、医師も社会も家族でさえも訴えを否定する理由は、内部損傷の痛みも要因物質も目に見えない傷害であるが故にと観察してきました。
被害者に起きている事実は、87年の提唱から「コンセンサス 1999」米合意文書に至る内容そのものと体験していても、被曝と症状発生を証明する診断方法が確立しなければ医学・医療と社会の偏見は20年を経ても変わらずです。

今回の「ネット上で化学物質過敏症を否定する匿名医の発信」について知る会員は少なく、その記述の一部を閲覧して検討しました。関連文献も多数でお返事が遅くなりお詫びいたします。考えられる要点をまとめてお返事とさせていただきます。

<当会の考え方> 科学は疑うことから始まるとすれば異なる見識もあり、これを発信することも言論の自由である。しかし、見えない有害物質による健康影響を究明し、この事実に対応する医学・医療行為について、異議があれば研究論文にするところ、匿名で否定する内容の発信を続けているとしても医師や研究者が受け入れるだろうか。化学物質による症状発生とその苦痛は、化学物質の有害性を全く感知しない人には理解し難い分野であり、これを理解(対応)する臨床医への懐疑と自身が関れない医学・医療領域への焦慮に駆られて存在を否定しているのかとも考えられるが、指摘している矛盾点については的を射るところも散見する(下記 3,4)。

1.化学物質による発症の機序と健康障害は、自身が被らなければ理解し難い。

2.化学物質過敏症の否定というより、この存在を認める臨床環境医学と臨床医を否定している。

3.その診断方法と治療について、科学的ではないと指摘している。

4.症状の発現について矛盾していると指摘する事例は、確かに存在する。

<考えられる対策>

・日常的に被る化学物質の被ばく量を測る24時間装着型‐軽微測定機の開発。

・化学物質の暴露により症状が発現する事実を証明するー負荷テストの導入。

・医学教育全般の履修・必須基礎科目に毒性学を充実させる。

・診断方法と治療について見直す必要がある。

・血液検査にて体内に残留する有害物質の検出により症状発生の要因を探る。

・臨床環境医学に関する学会以外の紹介記述が見当たらないのは何故か。

・化学物質に過敏な症状発現と苦痛の訴えは、産業界にとって不都合な真実であり、死に至るレベルでなければ黙認する国の対策を考えることが要ではないか。

・各地で、この問題を理解する議員に政策への要望を伝え実現に向けること。

<参考>「コンセンサス 1999」多種類化学物質過敏 1999年 米合意文書(臨床環境医学 第9巻第2号) http://www.asahikawa- med.ac.jp/dept/mc/healthy/jsce/jjce9_2_89.pdf

化学物質問題市民研究会-ピコ通信/第130号 記事より http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tsuushin/tsuushin_09/pico_130_CS_master_touroku.html

2009年10月 化学物質過敏症 健康保険適用へ 厚労省疾病分類―ICD-10「その他及び詳細不明の物質の毒作用」 にて傷病名マスター登録(コードはT65.9)http://www.medis.or.jp/index.htmlhttp://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/cs_kaigai/Germany/mcs_Germany_CSN_Blog.html 2009年1月「ドイツ 世界で初めて多種化学物質過敏症(MCS)を身体的疾病として認める」―紹介記事―

ドイツに於ける多種類化学物質過敏症(MCS) は、2005 年より身体的疾病として分類されている。MCS は、世界保健機関(WHO)国際疾病分類のドイツ版、ICD-10GM に於いて、第19章(傷害、中毒、その他の結果)、T66-T78(外因のその他及び詳細不明の作用)、T78.4(アレルギー,詳細不明)に分類登録。MCS は身体障害であり、障害状態は要望に応じて個別に是認される。

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受信記録 「化学物質過敏症についてデマを広げるネット医師に関して」

日頃の活動、敬服いたしております。さて、近年の化学物質過敏症の蔓延により、少しずつこの病気に関する理解も広がりつつあるかと思います。しかし、特に医療関係者にはこの病気に関する偏見が強く、患者の大きな負担になっています。どうやらその原因の一つが、以下のページで批判されているNATROMというネット医師のようなのす。

「NATROM氏はどこで道をあやまったのか~なぜ1994年報告書はMCS(化学物質過敏症)や臨床環境医を否定しなかったのか~」http://d.hatena.ne.jp/sivad/20150211/p1NATROM氏は”suspect”の意味を正反対に受け取って米国医師会の勧告を誤読し、化学物質過敏症は医師会に認められていない詐病だとのデマを2002年から延々と拡散し続けています。著書も出しているインターネット上ではかなり知られた存在であり、多くの医療関係者がこの誤情報を鵜呑みにしているきらいがあります。多くの専門家と患者の努力を踏みにじるNATROM氏の行為に関して、何らかの対策を立てたれないものでしょうか。